今井敏明氏
元国際審判員でもある88歳の仲西さんは、「昔は蹴って走って、こぼれ球を拾って、というサッカーだったが、人工芝のピッチで練習すれば質も変化します。ポゼッションが大事になってくる。施設が整い優れた指導者の下で、また全国大会を目指してほしい」と優しいまなざしでグラウンドを見つめていた。
OBからは激励と鼓舞する言葉が相次いだ。今井代表理事が「夏の1次予選敗退は残念だった。ベスト4や決勝まで進めるよう頑張ってもらいたい」と言えば、往時の埼玉を代表する名手だった配嶋理事も「緑のピッチは気持ちを明るくします。楽しくプレーして結果を出してほしい」とエールを送った。
ここ最近はちょくちょく母校を訪れるという西野氏は、「僕らの頃はすごく水はけが良かった。雨がやめば水たまりもなくなるもんだから、休みと思っていたら練習が始まっちゃうんですよ」と言って笑わせた。
左から林義規氏、仲西駿策氏
土のグラウンドで汗をかいたのは、もう半世紀も前のことだ。「あの頃は先輩の魂を感じながら頑張った。ピッチは人工芝に変わったが、この下には伝統やスピリットが残っている。それをずっとつなげていってほしい」との金言を後輩に伝えた。
浦和西高サッカー部は全国高校選手権に4度出場し、第35回大会で初優勝。インターハイ出場は2度で、関東高校大会には9度出場して3回制した。
選手権初優勝の主力だった鈴木良三氏は、東京とメキシコ両五輪日本代表で、10年に日本サッカー殿堂入りした守備の達人だった。
(文・写真=河野正)