対戦校の選手も指導者も、同じような印象を持っているのかもしれないが、名うてのストライカーを抱えるチームより、不気味な存在ではないだろうか。

 ファイナルで決勝点を挙げた佐藤は今大会初、今季の県1部(S1)リーグのゴールが高校入学後の初得点。まだ通算2点目だ。「(蹴った瞬間)入ってくれって思いました。『一致団結』がサッカー部のテーマで、スタンドも合わせて団結した結果が、ゴールと勝利につながった。あれはみんなで勝ち取ったゴールです」と言って、仲間に感謝しながら優勝の喜びをかみ締めた。

 全国選手権の対戦相手が決まった。埼玉県勢の優勝は、第60回記念大会の武南以来42年も遠ざかり、準決勝進出すら31年ない。

 正智深谷に寄せられる期待は大きいだけに小島監督も、「全国でもみんなで団結しひとつでも多く勝ちたい。埼玉は(長らく)ベスト4にも入っていないので、そこまで行けるように責任を持ってやりたい」と、晴れ舞台でも『一致団結』をスローガンに勝ち上がる覚悟を示した。   

(文=河野正) 

▽第103回全国高校サッカー選手権埼玉予選
第103回全国高校サッカー選手権埼玉予選