
(写真=会田健司)
当時最も得意としたフィニッシュまでの形が、左サイドから運んでカットインしてのシュートだ。これが試合でうまくいかないと、終わってからのシュート練習を所望することがしばしばあった。ユースチームの練習が始まろうというのに、構わず続けたそうだ。
15年12月の高円宮杯第27回全日本ユース(U-15)選手権での出来事。三菱養和SC巣鴨ジュニアユースは、1回戦でMIOびわこ滋賀U-15に0-1の敗戦を喫した。シュートを相手の2倍打ち、背番号10の中村も両チーム最多4本を放ちながら得点できなかった。ポストをかすめたカットインからの惜しい一撃もあった。
会場は茨城・水戸市で試合は午後1時には終わっていた。中村はすぐ生方コーチに電話をかける。「これからシュート練習したいんで、巣鴨のグラウンド使えませんか?」。この日はユースの試合があって希望はかなわなかったが、この頃から向上心とどん欲さは際立っていた。
巣鴨から我孫子の自宅まで約1時間半かかったが、ちっとも苦にしなかった。電車の中でスペイン語の勉強とサッカーの動画を見ていると、あっと言う間に着いてしまうと涼しい顔をしていたそうだ。
【PR】▽GOLDEN CONCEPT公式サイト
GOLDEN CONCEPT公式サイト