厚木北イレブン(写真=西山和広)

 神奈川の秋風が少し肌寒さを増す中、第104回全国高校サッカー選手権神奈川予選2次予選のピッチに、公立の雄として名を馳せてきた厚木北の夢が静かに幕を閉じた。初戦で逗子葉山に1-3と力負け。スコア以上に、再び指揮官として立ち、選手たちと共に「心踊るプレー」を目指した渡邊浄仁監督の胸には、拭い去れない悔恨と、確かな成長への希望が交錯していた。

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 「完全にやられましたね」

 開口一番、渡邊監督は対戦相手の徹底した分析力に脱帽するしかなかった。幾度となく試合を視察に来ていた相手に、“厚木北Style”の核を研究し尽くされたという事実は、彼らが追うべきレベルの高さを示していた。これは、指揮官にとっては、「完敗」という言葉以上に重い現実だっただろう。

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▽第104回全国高校サッカー選手権神奈川予選
第104回全国高校サッカー選手権神奈川予選