
星槎国際湘南イレブン(写真=西山和広)
しかし、ドラマは後半に待っていた。余裕を持って臨むはずだった後半、麻布大附の丁寧なサッカーに流れを奪われると、48、64分と立て続けに失点。一転して1点差まで追い込まれる緊迫の展開に、永瀬監督は「バタついてきて、メンタリティー的に崩れちゃったのかな」と、高校生ならではの精神的な脆さを指摘する。
「失点のところから少しこうバタついてきて」という言葉の裏には、彼らがこれまでトーナメントの上位まで勝ち上がった経験がないことへのもどかしさが滲む。だが、その不安を払拭したのは、またしても彼らの持つ高い攻撃能力だった。69分、相手陣内での強烈なプレッシャーからチャンスを作り出し、MF14桺田陸斗が冷静沈着にゴールを陥れる。この一撃が勝負を決定づけ、チームは冷や汗をかきながらも、2回戦へと駒を進めた。
勝利後の永瀬監督の表情は、晴れやかというよりは、むしろ引き締まっていた。「今日勝ててよかったです」と安堵の言葉を口にしつつも、視線はすでにその先を見据えている。
▽第104回全国高校サッカー選手権神奈川予選
第104回全国高校サッカー選手権神奈川予選

