横浜隼人DF6三上司士

 勝負の女神は、ときに努力の積み重ねに微笑む。

 秋の風と日差しが人工芝を撫でていたかもめパークで行われた第104回全国高校サッカー選手権神奈川予選2次予選2回戦の横浜隼人vs相洋。横浜隼人が格上相手に1-0のリードで折り返した48分、ペナルティーエリア外にこぼれたボールへ、DF6三上司士は迷いなく右足を振り抜いた。弾道は低く、鋭く。誰もが一瞬息を呑む。その先に、ネットが揺れた。

【フォトギャラリー】横浜隼人 vs 相洋

「たまたまいいとこに自分がいて、たまたまこぼれてきて。打ったら、たまたま入ったんで」

 そう笑ってみせたが、その言葉をそのまま受け取るわけにはいかない。

 “たまたま”に見える瞬間の裏には、幾度も外してきた記憶と、地道な修正の積み重ねがあった。

【次のページ】 たまたま、じゃなかった 横浜隼人DF三上司士が撃ち抜いた“必然の一閃”(2)

▽第104回全国高校サッカー選手権神奈川予選
第104回全国高校サッカー選手権神奈川予選