エースFW10多田井亮

　しかし、決勝ゴールを決めた多田井が試合終盤に警告を受け、次戦は出場停止に。チームの得点源であり、精神的支柱でもあるエースが、決勝のピッチに立てないことが決まった。「亮が次の試合に出られないのは本当に悔しいです。もっと早く交代させてあげるべきだったと感じています。亮は苦しいときに点を取ってくれて、常にチームのために体を張ってきた選手。彼を全国に連れて行く。その思いを全員で共有して戦います」と、小松憲太監督は悔しさをにじませながら語った。

　試合後、多田井が涙を流しながらチームメートに囲まれる姿もあり、キャプテンのDF3新井翔も「多田井はいつもチームを引っ張ってくれました。その選手が決勝に出られないのは正直痛いですけど、今まで亮がやってくれた分、今度は自分たちが優勝という形で恩返ししたい。そして全国の舞台でまた亮と一緒にサッカーがしたいです」

　エース不在の決勝戦となるが、「亮の代わりに出る選手たちも、必ずやってくれると信じています」と指揮官。

　"エースを全国に連れていく"東京都市大塩尻は強い絆で上田西との大一番に挑む。

　(文・写真＝古部亮)