早稲田実業イレブン(写真＝矢島公彦)

　試合後、野川の言葉には強い覚悟があった。「2年前は周りからたまたまだとか偶然だとか言われてた。今回は、自分たちが偶然じゃなかった、全国に行ったのは必然なんだよってことを示せた。記念出場じゃなく、出るだけじゃなくてしっかり勝負しに行く。開幕戦をまず必ず勝利して、早実としての歴史を変える。新しい壁を壊して、1個1個上に登っていきたい」。

　霜田も「1回目は出ることに満足してしまった。2回目は相手も対策を練ってくる中で結果を出せた」と手応えを語りつつ、「自分が相手と対峙した時に1人はがしてチャンス作るところが今日はあまり見れなかった。全国までの時間に練習していきたい」と課題も明確にした。

　味の素スタジアムに響いた「紺碧の空」。霜田は「めっちゃ聞こえました。自分、紺碧の空が好きなんで一緒に歌ってました」と笑顔を見せた。2年前は「たまたま」と言われた早稲田実業の全国行き。だが今回、彼らは確かな手応えとともに、「WASEDA Red」のユニフォームで再び国立のピッチに立つ。

（文・写真＝西山和広）