近大附 vs 国見

 この日、大阪からバス5台を連ねて現地へ駆けつけたのは、総勢200人を超える部員たちの応援団。声を枯らしてピッチにエネルギーを送り続ける仲間の姿は、選手たちの心を強く突き動かした。「僕たちは200人以上の部員がいて、応援もでかかった。そこでチーム一丸となって勝てた」と先制弾のFW山本翔大(3年)が語れば、藤川キャプテンもまた、その応援に込めた覚悟を口にする。「選ばれた28人が、選ばれなかった人のために全力で戦う」。その強い責任感と一体感こそが、伝統校のプレッシャーを跳ね返す最大の武器となった。

 試合は、近大附が誇る強力なセットプレーから動いた。前半、チームのテーマとして掲げていたロングスローからチャンスを演出する。前線のターゲット2枚が果敢に競り合い、ゴール前で混戦が生じた。「あそこをずっと狙っていた」という山本が、こぼれてきたボールを冷静にゴールへと流し込んだ。

 「やっぱり前線で出ている以上、僕はゴールを決めてチームを勝たせるのが仕事。それができて嬉しい」

 そう安堵の表情を浮かべた山本だが、ここに至るまでには葛藤もあった。大阪予選では全試合にスタメンとして出場し続け、前線での役割を全うしてきた。しかし、ストライカーとしての本分であるゴール数は、予選を通じてわずかに「1」。チームが勝利を重ねる裏で、ネットを揺らせない悔しさを感じてきた。「予選ではゴールが取れなかったので、ここで1個決めてチームの勝利に貢献できて本当に嬉しい。ここまで来られたのも自分たちだけでは無理で、いろんな人のサポートがあったから」。周囲への感謝を忘れない3年生FWの執念が、全国の舞台で最高の先制点として結実した。

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▽令和8年度全国高校サッカーインターハイ(総体)
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