
寺師監督やコーチ陣も選手たちと歓喜のダンス
チームを引っ張る藤川もまた、苦しみを乗り越えてきた一人だ。インハイ予選決勝まで怪我に泣かされ、その後もサブに回る時期が続いた。「僕は途中からで、ここまで連れてきてくれたみんなに感謝しかない。監督からチャンスをもらった時に結果を出せてよかった」と振り返る。新チーム始動時は声も出ず、統一感が最大の課題だったが、スタッフや泥臭い努力を重ねてきた選手たち、そして怪我から復帰した主将の存在が、チームをまた一つ大きくした。
後半に1点を返され、昌平の猛攻に晒される苦しい展開を寺師監督は「ほんまにえぐかったです(笑)」と振り返ったが、選手たちのメンタルは微塵も揺らがなかった。藤川は「失点して集まった時も、全員で焦らずまだ1点あるぞと声を掛け合った。この大会から1点の重みを全員で共有できている」と語り、チームは最後までリードを死守した。
タイムアップの瞬間、森が「嬉しすぎて膝から崩れ落ちた」と語り、寺師監督も「大阪で全国を決めた時よりうれしかった」と振り返った劇的な勝利の背景には、心強い大応援団の存在があった。1、2回戦同様にこの日もバックスタンドからの大声援を送ってくれた仲間たちに、藤川は「しんどい時に大きな声援があって、絶対に応えないといけないと思った」と感謝を口にする。
寺師監督も「メンバー28人だけで勝ったんじゃない。ファミリーで勝って会場を飲み込んだ。府1部だろうと、代表経験者がいなかろうと、みんなでやればやれるんだと証明できた」と、最高の笑顔を見せた。
次戦の準々決勝は日章学園(宮崎)と激突する。藤川が「完全に僕たちはチャレンジャー。雑草魂でみんなで戦いたい」と力強く語れば、寺師監督も「次もハイエナのように群れで戦って、全てを飲み込んでいきたい」と鼻息を荒げた。
(文・写真=会田健司)

