お互いにチャンスを作り出した前半戦を1対1のスコアで終え迎えた勝負の後半戦、主導権を握ったのは青森山田。FW田中優勢を後半開始と同時に投入、司令塔MF神谷優太を左サイドへと配置転換し、攻撃の起点をサイドで見出そうと施策を講じるとその狙いは的中。56分、右サイドからのクロスに左サイドをフリーで駆け上がった神谷がシュート。さらに3回戦桐光学園戦でゴールを挙げたMF吉田開の投入で俄然勢いが増した63分には、左サイド突破した田中のクロスに鳴海がジャンピングボレー。66分のシーンではショートコナーから神谷が放ったカットインシュートがクロスバーに直撃した。
対する國學院久我山も徐々に息を吹き返す。
68分、右サイド内桶の突破からMF鈴木遥太郎がシュート。その4分後には名倉の中央ドリブル突破からチャンスを迎えれば、85分には名倉からのスルーパスに反応した澁谷がGKを交わしてシュートを放つ決定機を迎える。いずれもゴールには至らなかったが好機を創出した。
見応え十分の好戦、90分間終了の様相を呈す中ついに迎えた劇的決着。
後半アディショナルタイム、CKのチャンスを得た國學院久我山は鈴木の供給したクロスがこぼれたところ、DF山本研がシュートを放つと最後はMF戸田佳佑がコースを変えてネットを揺らす。途中出場となった2年生MFが値千金の勝ち越しゴールを挙げると、ピッチには歓喜と悲鳴が入り混じった。
國學院久我山が青森山田との接戦を逆転で制して準決勝突破。初のファイナル進出を成し遂げた。
(文・編集部)