対する新潟明訓も前半終了間際から徐々に攻撃の形が作れるようになった。後半頭からFW反町太郎を右サイドハーフに入ると、DF蝶名林翔太の攻撃参加も交えたサイドアタックで右サイドを完全に制圧。後半2分には蝶名林のクロスからMF石塚琉太朗がフリーでヘディングシュートを放ったが、枠を捉えることができない。すると、後半9分には北海が左からチャンスを作る。左サイドを突破したFW阿部遼海のパスはゴール前で合わなかったが、PA右で「身体能力が高い選手で、うちの軸。グイグイ行ってチャンスが作れる」(島谷監督)DF小柳直也に渡った。シュートは打てなかったが粘り強くキープすると、PA内で倒されPKを獲得。阿部が右隅に決めて北海が先制した。

 この一点で目が覚めた新潟明訓は攻撃のギアを上げると、20分には右サイド高い位置でスローインを獲得する。FW稲見直也が勢いよく放り込んだボールをDF落合毅人が頭で合わせ、試合を振り出しに戻すと、以降も北海ゴールに迫ったが、田中健二監督が「負けるような試合ではなかった。PAの中へは進入できていたので、1対1をしっかり決めていれば3,4点獲れていた」と悔やんだようにフィニッシュの精度を欠き、逆転ゴールが生まれないまま時間が経過した。

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