対する國學院久我山も出だしは持ち味であるポゼッションを封じられて苦しんだが、前半途中にベンチから飛んだ「テンポを上げろ」という指示を合図に素早いボール回しからのサイド攻撃や連携による狭いエリアの突破など久我山らしい攻撃で大津ゴールに向かう回数が増えた。しかし、「攻められたことで前から奪いに行って、かわされるのは危ないと思い、バランスをとって一定のポジションまで下げさせた」(平岡総監督)と大津は素早く守備を軌道修正。前半35分にはそうした守備から「得意な形なので、狙っていた」(DF吉村仁志)というショートカウンターで見せ場を作る。MF富永大翔のカットから前方のFW大竹悠聖へとボールを預けると、大竹が素早くゴール前にスルーパスを展開。走り込んだ水野がドリブルで相手守備陣をかわし、がら空きとなったゴールにシュートを叩き込んだ。

「才能をああいう所で表現してくれた」と指揮官も称賛する一撃で大津が先手を奪うと、後半はセットプレーを中心に大津が好機を作る。後半7分にはPA手前で奪ったFKをMF松原亘紀がゴール前に展開。DF西原大地が触ったボールをDF福島隼斗が頭で押し込んだが、相手の守備にブロックされた。以降もサイド攻撃を中心に競り合いで見せ場を作ると、12分には水野が左CKをゴール前に入れ、ニアで競ったこぼれ球を大竹が押し込んで突き放しに成功。以降も積極的に狙った大津が勝利した。

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