安部一雄監督が「相手は相当強い。普通に戦って勝てる相手ではない」と話したようにリスクを避けながら試合に入った山梨学院高等学校だが、最も警戒していた桐光学園のエースFW西川潤に序盤から守備をかき回された。前半6分には後方からのフィードを西川が胸で落とし、FW敷野智大がPAにスルーパス。MF阿部龍聖に素早く飛び出されたこのピンチはGK市川隼が防いだが、21分にはMF中村洸太の右クロスを西川に決められ、先制点を許した。

「失点で気持ちに火がついた」(DF西澤俊)山梨学院高等学校は時間の経過と共に落ち着いたボール回しを披露。前半終了間際の35+2分にはDF山土井拓海のロングスローからMF平松柚佑がゴールを狙ったが枠を捉えることができない。

1点ビハインドで迎えた後半は、「相手の嫌な所にボールを入れて行こうと伝えた」(安部監督)との言葉通り、両サイドからのクロスで好機を作る。それでも同点ゴールが奪えずに時間が進んだが、残り時間わずかの所で見せたのは、エースのFW宮崎純真だ。後半35+5分に西川のシュートを防いだ市川隼が右のDF保坂紘生にボールを預けると素早く前方に展開。ここからはパワープレーで前線にいたDF大石悠介が粘り強くマイボールにし、ゴール前にパスを送る。ニアで反応したFW川野大成がスルーで後ろに流すとラストは宮崎が冷静にゴールネットを揺らした。

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