後半16分にはロングスローの混戦からDF齊藤聖の強烈ミドルが枠を捉えたが、浦和南GK正野友稀に弾かれてクロスバーに。25分にはDF木村優太のクロスにDF上林豪が飛び込んで、こぼれ球をFW上田輝が狙ったが、またしても浦和南の守護神が立ちふさがる。32分にはカウンターから竹間がスピードに乗って抜け出したが、5人目のディフェンダーよろしくタイミングの良い飛び出しを見せた正野がスライディングでかき出して三度決定的なシーンを防いだ。

その後も竹間の突破などから得点を狙った聖望学園だが、浦和南も最後まで集中力を保ってシャットアップ。虎の子の1点を守りきった浦和南が難しい初戦を制し、8強に駒を進めた。

後半は押し込まれる中、オフサイドになった場面を含めれば4度決定機を防いだ正野は「守備の時間が長くなるのは予想していた。焦らずに落ち着いてできたと思います」と振り返った。ハイボールやシュートストップで好パフォーマンスを見せた中で特に目立ったのは「スペースを埋める動き」だ。後半32分にはセットプレーのカウンターからサイドを抜け出されたが、果敢に前に出てスライディングで決定機を阻止。終盤は相手がさらに攻勢を強めた中でもプレーエリア広く第5のディフェンダー、11人目のフィールドプレーヤーといった活躍を見せた。

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