「もっと試合を決定づけられる選手に」怪我に泣いた澤野が捲土重来の1年にかける 

 大宮南は序盤からFW澤野秋翔やMF見目大輔、三輪勇太が連続してチャンスを迎える。川口はGK深見陽大が好守を見せてゴールを守ったが、前半15分に「相手が中に弱いのが試合中にわかった」というFW長倉拓摩がエリア左手前でボールを受けてドリブルでカットイン。右足を振り抜くとシュートはディフェンスに当たってコースを変えながらゴールに吸い込まれた。

後半立ち上がりは1点を追う川口が前に出たが、大宮南はここをしのぐと8分に右サイドを駆け上がったDF宮崎淳史のクロスに、ニアポストに走り込んだ澤野が頭で合わせて追加点とする。

その後も相手のカウンター攻撃にはセンターバックの大和田蓮斗、真島蒔人を中心に後ろの4枚が早い準備と的確なカバーリングで攻撃の芽を潰してチャンスらしいチャンスは作らせず。

後半24分には途中出場の2人が魅せた。見目とのワンツーで右サイドを抜けたFW高橋昌希のクロスに、1年生MFの浅倉要が「練習でもいつもファーにクロスが上がる意識でやっている。ファーにちょうど来たのであとは決めるだけでした」と、ドンピシャのタイミングでヘディングを叩き込んでダメを押した。3ー0で快勝した大宮南が2年ぶりとなる県大会出場を決めた。

「いつも通りできました」とした田中龍太郎監督だが、ひとつ例年のこの時期と違うのは選手層の厚さだろう。今予選ではメンバー登録26人全員が出場。準決勝でも交代枠5枚を使い切ったが、最後までチーム力は落ちず、むしろ途中出場の2人がわかりやすい形で結果を残した。

「この時期はいつも12、3人しか使えない中で、今回はいろいろなやつをスタートで出しながら26人を出した。そんなのは初めてです。うちのチームとしては層が厚いので、そういう意味では頼もしさもあります」と指揮官。県大会にはどのようなスタメンで挑むのか、楽しみだ。

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