14日、平成26年度東京都・総体2次トーナメント準々決勝が駒沢第2球技場で行われた。日差しの強さは午前中よりやや弱まり、サッカー日和となった14時にキックオフを迎えた成立学園暁星高等学校の一戦は全9ゴールが生まれた点の奪い合いとなった。

 成立学園暁星高等学校共にトーナメントの初戦ということで堅い試合の立ち上がりが予想されたが、両チーム積極的な序盤の戦い方を見せる。まず初めにチャンスを迎えたのは暁星高等学校。4-4-2の布陣で高い前線への推進力を保ち、ゴールへ迫ると2分9番が左サイドからクロスを上げ、成立学園DFがクリアしたこぼれ球を6番・及川大翔がフリーでボレーシュートを放つも枠を大きく外した。

 及川のファーストシュートから始まり、遠い位置からのシュートも積極的に狙うなど押し気味に試合を進める暁星高等学校であったが、流れを掴みきることができないでいると対する成立学園も少しずつ本領を発揮する。徹底された連動性でパスサッカーが機能し始めた13分、左サイドからキャプテンマークを巻く右SB2番に展開すると、2番はダイレクトで中央へのスルーパスを選択。そのパスに反応し、暁星高等学校DFラインの裏に抜け出した10番上田悠起が冷静にゴールへと流し込み先制に成功する。

 早い時間帯での貴重な上田悠起の先制点を皮切りに成立学園のゴールラッシュが始まる。16分、CB4番のロングフィードから右サイドの裏のスペースを突いた9番・吉村伸が右足を振り抜き追加点。さらに完全に守備が後手にまわり、崩された暁星高等学校のDFラインを攻め立てると、27分には左サイド11番・町田ブライトが突破しマイナスのクロスを受けた上田悠起が落ち着いて決めて3対0。その2分後には、右SB2番のクロスにまたもや上田悠起がフリーで合わせて4点目を決める。

 前半のうちに上田悠起はハットトリックを達成する。右MFのポジションから豊富な運動量で攻撃の起点となる司令塔の活躍で成立学園が勝負を決めた。対して4点が重くのしかかる暁星高等学校は何とか攻撃を仕掛けたいものの、さらに追加点を狙う成立学園の攻撃に苦戦し、チャンスすら作り出すことができない。上田悠起や、FW・町田ブライトといった成立学園の攻撃のキーマンとなる選手を中盤でマークしきれず、プレーエリアにスペースを与えてしまった。

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