ちなみに名前の「上総介」は戦国武将・織田信長が家督継承を機に名乗った「上総守信長」(のちに上総介信長に変更)に由来するもの。昨年は4つのコンペティションで3つのチャンピオンが生まれるなど戦国時代とも言われる埼玉高校サッカー界を制し、天下取りとなるか。
敗れはしたが、今年は聖望学園が面白い存在となるかもしれない。その中心が塚田悠太郎だ。
3点を追う後半、開始早々のワンプレーで流れを変えた。ゴール前で横パスを受けると「よく練習している形。狙い通り」と右足を一閃。豪快な一発で試合の主導権を一気に引き寄せると、その後も左ウイングの位置から積極的なシュートで何本も決定機を作り、攻撃を牽引した。
3点差を跳ね返すことはできなかったが、「そのままずるずるいかないで、後半ああやって返して互角の戦いをできたのはすごく励みになる。また県大会頑張ろうという気持ちになれたのであの後半は良かったなと思います」と、西武台を追い詰めた後半の戦いに好感触を見せた。
昨年は新人戦後にまさかのCチーム行きを命じられた。「いろいろな課題を監督から課されて、それを去年1年間で克服して今年を迎えているので去年よりは自分としては成長しているかなと思います。(一番変わったのは)気持ちの部分」。もとより能力値は高い選手だったが、そこにメンタル的な部分もついてきたことで最終学年の今年は大化けの予感も漂わせる。
塚田を筆頭に他のポジションにも好タレントを揃える今年の聖望学園。「今年はすごく個が強い。あとはチームとして組織力をつけていけば絶対に県のタイトルは狙えると思う」と塚田。自信をつけていけば2016年のインターハイ以来2度目の全国大会も十分に狙えるチームだ。
記事提供:埼玉サッカー通信・石黒登