勝負が決したのは延長前半9分。セットプレーのカウンターから戸坂がドリブルで持ち上がると、中央への折り返しを山本が決めてハットトリックを達成。延長後半2分にはMF山下貴之のスーパーミドルも飛び出した國學院久我山が2点のビハインドを覆し決勝進出を決めた。
これで今季公式戦は11試合無敗。そんなチームを牽引するのが山本だ。昨年はサイドや中盤でのプレーが多かった中で最終学年となった今年、センターFWを任されると得点能力が開花。チームの無敗記録とともに自身も11試合連続ゴール中とエースストライカーとして覚醒中だ。
どんな体勢からでもシュートを決めていけるというキックのうまさに加え、チームには技術値の高い選手が揃っており、「ゴール前でひとつ相手を外す動きをすれば良いボールが出てくる」と仲間たちに感謝。決勝に向けては「優勝して東京に帰る」とタイトルに意欲を燃やした。
文・写真=石黒登