1回戦屈指の好カードは青森山田が2-0で宿敵・前橋育英を撃破

 青森山田と前橋育英。ともに全国制覇経験を持つ両者は2015年の高校サッカー選手権決勝、2017年のインターハイ3回戦などで顔を合わせるなど、大舞台で幾度も顔を突き合わせて来た。今大会の組み合わせが決まった際、誰もが初戦で戦うのはもったいないと思ったに違いない。

 1回戦屈指の注目カードは、早々にスコアが動く。前半2分、ゴール前で浦和入団内定の武田英寿が競り勝つと、ボールが右サイドに流れたところを後藤健太が右足で豪快に蹴り込んで、立ち上がりに均衡を破ったのだ。

 35分ハーフの短期決戦。開始直後にリードを奪った青森山田はここから盤石の試合運びを見せる。守備に比重を置きながら、隙あらばカウンターで2点目を狙う得意の戦い方に持ち込む。

 とりわけ、輝きを放ったのは最終ラインに入る藤原優大だ。2年生ながらDFリーダーを託される男は空中戦の強さを見せると、背後のスペースに蹴られた際には的確なカバーリングでピンチの芽を未然に刈り取る。セットプレーでは誰よりも声を荒げ、上級生に対しても臆せずに指示や檄を飛ばして守備の手綱を緩めない。藤原は一人で潰し役とスイーパーの役割を担い、ことごとく前橋育英のアタックを食い止めた。

「CBがボールを持った時に背後に落とすボールを蹴ってくるのはわかっていた。正木コーチからもカバーリングを早くしろと、指示をされていたのでそこを徹底できた」

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▽令和元年度全国高校サッカーインターハイ(総体)
令和元年度全国高校サッカーインターハイ(総体)