以降も前線の選手が流動的に絡みながら、相手陣内へと迫る。パスワークも冴え、試合のペースを相手に渡さなかった。その中でいぶし銀の働きを見せたのが、志知と佐藤だ。決して目立つわけではないものの、ボールホルダーにきっちりと寄せ、相手の攻撃を何度もストップ。ボールを奪えば、前線にボールを運ぶ役割を全う。彼らの出来には京都橘の米澤一成監督も目を細め、勝因のひとつに上げた。
「佐藤と志知のダブルボランチは効いていました。相手のパスコースを良く消してくれましたね。あそこがなければ、終わっていました。相手が上手かったですし、ポジショニングも良かったので、彼らからすれば、いっぱい北越の選手がいるという感じだったはず。そこを消してくれた。前のやつをうまく使いながら消してくれたのは、評価できると思いますね」
前半終了間際に湊麟太郎が奪った得点で2-0とした京都橘は後半に入っても、運動量を落とさずに攻守で躍動する。とりわけ、ふたりのパフォーマンスは最後まで落ちず、北越の攻撃陣に付け入る隙を与えなかった。後半35分に庄内碧に1点を返されたものの、京都橘が2-1で逃げ切りに成功。京都勢としては2年連続、同校としては史上初のベスト4入りを果たした。
(文・写真=松尾祐希)
令和元年度全国高校サッカーインターハイ(総体)