それでも最後に勝負強さを見せたのは西武台。連続してカードを切って攻撃のメッセージを明確にピッチ内に伝えると決勝点が生まれたのは後半33分。失点直後に投入された1年生FWの細田優陽が左サイドを仕掛け、クロスに滑り込んだ谷がダイレクトシュートでネットを揺らした。今大会はまだノーゴールに終わっていたエースが全国決めのファイナルでハットトリックの活躍を見せた西武台が3ー2で迫る相手を振り切り、4年ぶりのタイトルを掴み取った。
決勝ゴールを決めると、仲間たちの元へと駆け出したエース・谷直哉の指の形はゴール数と同じ「3」。「3点取ると試合前から決めていた。今大会は無得点だったのでここまで溜めてきて、もう3点取って勝つぞと仲間にも言っていました」。有言実行のハットトリックだった。
前回泣いた「3」をという数字を歓喜の「3」に変えた。関東予選準決勝の浦和東戦ではまさかのPK3本失敗。決勝進出を逃した中でトーナメント後はすぐに切り替えて、今大会で大活躍を見せたGK高橋クリスとPKを猛練習。迎えたインターハイ予選3回戦の浦和南戦はPK戦で5人目のキッカーとなると「足が止まっちゃうかな」という守屋保監督の不安とは裏腹に「自信がありました」という背番号9はしっかりと振り抜いてネットを揺らし、悪夢を振り払った。