仙台育英のGK1番佐藤文太、PK戦で輝く

(写真=森田将義)

 第98回全国高校サッカー選手権大会1回戦が12月31日各所で行われた。等々力陸上競技場で行われた仙台育英(宮城)と五條(奈良)の一戦は、PK戦までもつれた結果、2-2(PK3-0)で仙台育英が勝利した。

 ファーストチャンスを作ったのは仙台育英だった。4分に中盤でボールを持ったFW9番中山陸がFW15番佐藤遼と縦関係のワンツーからシュートを放つなど、縦への配球を多用し、ゴールに迫ったが、「皆が前に行こうとし過ぎて、ポジションが悪かった」(城福敬監督)ため、ゴール前であと一歩が合わず、一点が奪えない。対する五條は、試合開始直前に主将のMF7番池田達哉が「前半はとにかく我慢しよう」とチームメイトに声を掛けた通り、守備の時間が続いたが、DF16番藤崎仁の粘り強い守りや、GK1番中尾優貴の冷静なセービングによって失点を回避。奪ってからは、カウンターを狙い、12分には2列目でセカンドボールを拾ったMF9井澤悠がドリブルからミドルシュートを放った。

 均衡が崩れたのは、後半開始直後の5分。MF6番岸本大晟がゴール前に上げた左CKをFW8番菅田剛平がヘディングで叩き込み、五條が先制した。苦しみながらも、リードを手にしたが、残り時間は30分以上ある。「1点取ってからの時間が長かったので、このままでは終わらないと思っていた」と吉岡一也監督が振り返った通り、同点ゴールを狙った仙台育英に押し込まれた。

【次のページ】 五條を尻目に

▽第98回全国高校サッカー選手権大会
第98回全国高校サッカー選手権大会