取って取られての見応えある接戦の末に丸岡が2回戦進出
12月31日に第98回全国高校サッカー選手権大会の1回戦2試合が駒沢陸上競技場で行われた。陽気だった第1試合から一転、強風が吹く中で行われた第2試合の丸岡(福井)と長崎総科大附(長崎)の試合は、取って取られての見応えある接戦の末に丸岡が2回戦進出を勝ち取った。
逆転ゴールが決まった瞬間、丸岡ベンチの前に立っていた小阪康弘監督は拳を突き出して雄たけびをあげた。先制点を奪われ、追いついても再び突き放される苦しい展開だったが、ピッチ上の選手たちの諦めない姿勢と、この試合へ向けて準備してきたベンチの采配が噛み合わさっての逆転勝利だ。
先制点は8分。風下の長崎総科大附が前線へ送り込んだボールの処理を丸岡DF河上英端がもたついたところを、FW千葉翼がボールを奪ってGKとの1対1を冷静に決めた。だが、丸岡も前半のうちに追いつく。36分、左サイドのFKからMF川中浩夢が蹴ったボールを、河上が汚名返上となるヘッドで流し込んで試合を折り返した。
後半も強風はやまず、風下になった丸岡のGK倉持一輝が蹴ったロングボールが上空で押し戻されて自陣へ帰ってくるシーンもあった。そんな環境下で試合展開も前半同様、相手の最終ラインの背後やサイドへボールを送り込み、そこで起点が作れなくても前からプレッシャーをかけてカウンターを仕掛けようという両チームの狙いがうかがえた。長崎総科大附は前線の3トップが流動的にポジションを入れ替えながらチャンスを作り、丸岡もFW田海寧生が前線で体を張り、右サイドのMF明間希がドリブルで仕掛けてゴールを目指す。
【次のページ】 そして68分、長崎総科大附は左CKからDF別府史雅がバックヘッドでそらしたボールがサイドネットへ吸い込まれて、再びリードを奪う
▽第98回全国高校サッカー選手権大会
第98回全国高校サッカー選手権大会