王者らしい勝ち方で準決勝を突破した流経大柏。試合後、本田裕一郎監督も安堵の表情を見せたものの、簡単な試合ではなかったという。キックオフ前、選手たちに少し落ち着きがなかったからだ。ただ、そこは百戦錬磨の名将。応援席にいた盛り上げ役の選手を呼び、笑いを取りながらチームに普段の雰囲気を取り戻させた。これで我に返った選手たちは普段通りのプレーを披露。3つのゴールで勝ち切った裏には、指揮官の一手があったのは確かだ。
完璧な試合運びで勝利を挙げた一方で課題も少なからずあった。それが攻撃面だ。「フィニッシュの精度が相変わらず悪い。夏以降、向き合って来たけど、シュートをふかして、枠に飛ばせない」とは本田監督の言葉。実際に前半はチャンスをなかなか決め切れず、最初のゴールが生まれるまでに多くの時間を要した。大西などが早めに好機をものにできれば、試合展開が楽になっていたのは間違いない。
30日の決勝までにゴール前の精度をあげられるか。市立船橋戦は拮抗した展開が予想される。指揮官が明かした決定力の問題を解決できれば、選手権出場はより現実味を帯びてくるはずだ。
(文・写真=松尾祐希)
▽第98回全国高校サッカー選手権千葉予選
第98回全国高校サッカー選手権千葉予選