今年の日大藤沢は2年前にルーキーリーグを制した選手たちが最上級生となり、当初から期待値が大きかった世代。だが、今季はスタートから苦しんだ。リーグ戦では優勝争いに食い込んでいるものの、選手層の薄さとここ一番で勝負弱さを露呈。夏のインターハイ予選は準決勝で桐光学園に0−1で敗北し、全国行きのチケットを掴めなかった。

 しかし、チームは夏以降に選手が台頭。吉本や平田といった3年生が結果を残し、この準決勝で好パフォーマンスを見せた。また、選手権予選前にポジションを掴んだ植木も、欠かせないチームに欠かせない存在になりつつある。今では「試合で使えるようになるまで時間がかかったけど、黒子の役割を担えるまでになった」と指揮官が太鼓判を押すほどだ。

 ベンチには夏前まで主軸を務めていた古谷陸や有山佑汰らが控えており、チームの選手層は見違えるように分厚くなった。今では計算できる選手が15人以上。相手や状況に応じて選手を起用できるようになったのは大きな意味がある。

 30日に迎えるファイナル。相手は夏のインターハイで苦渋を舐めた桐光学園だ。最大のライバルを倒し、全国4強を成し遂げた2014年度以来の大舞台に挑めるか。現在の力を持ってすれば、勝機は十分にある。

(文・写真=松尾祐希)

▽第98回全国高校サッカー選手権神奈川予選
第98回全国高校サッカー選手権神奈川予選