攻撃は植村洋斗をいかに絡ませるか、守備ではよりコンパクトに守れるか。すると、後半は見違えるようなパフォーマンスを見せる。西川に良い形でボールを入れさせず、攻撃では植村が2列目からチャンスに絡んだ。
そして、後半9分にスコアが動く。植村が左サイドの深い位置まで入って中に折り返すと、浅野葵が押し込んで待望の先制点。「あのような突破からアシストをしてくれた。植村が持っているものが出た」と指揮官が頬を緩ませた一撃で流れを掴むと、以降も攻守で隙のない戦いを見せる。特に守備陣は今まで以上の集中力で対応し、良い位置で西川にボールを受けさせない。
最終盤の猛攻も退けた日大藤沢が“ウノゼロ”で桐光学園を撃破。昨冬も今年の夏も桐光学園に敗れていただけに、選手たちの喜びも一入だ。「去年の冬と今年の夏。予選でいずれも桐光学園に負けて、全国への道を断たれていた。ここで勝たないと今までやってきた意味がない。思いの部分では相手を上回っていたし、一体感でも上回って優勝を成し遂げられたので良かった」と、主将・青木も優勝の喜びを噛み締めた。夏のインターハイ王者を下した日大藤沢が意気揚々と全国舞台に挑む。
(文・写真=松尾祐希)
▽第98回全国高校サッカー選手権神奈川予選
第98回全国高校サッカー選手権神奈川予選