この日は流れの悪い中で前半終了間際にスルーパスに抜け出して同点弾。後半はオウンゴールを誘うと、直後の味方のこぼれ球を狙ったシュートはキーパーのレッド覚悟の守備で防がれたものの、存在感を放った1年生ストライカーは「壁パスや得点でFWとしての仕事はできたんですけど、自分の持ち味のドリブルは生かせなかったので今日は50点くらいです」とした。

昨年の中体連学総では準決勝、決勝で連続ハットトリックと大暴れ、5戦合計9得点と高い得点能力を見せて坂戸若宮中を初優勝に導いたストライカーには県内強豪私学からも声がかかったという中で「彼はスペシャル」と、その才能に惚れ込んだ荻野監督が熱烈オファー。「山村国際は自分のことをしっかりと見ていてくれた。一番の決め手となったのはやっぱり勉強のサポートもしっかりとしていて、サッカーにもしっかり力を入れられるかなと思って選びました」。そんな文武二道を目指す言葉に違わず、学校の成績でもベスト10に入っているという。

ストライカーの証「9」も期待の表れ。今予選は本来エースを務めるMF和田陽生が怪我で戦線を離脱という状況だが、「やっぱり県大会に行くのは当然のこと」とまずは1次予選突破を最低ラインとした。もちろん中学時代同様、その先を見据える加藤に最後に「自分が来たからにはチームを勝たせてやるくらいの気持ちはあるか」と質問をぶつけると、「あります! 絶対に点を取って勝ちます!」と、はっきりとした口調で高校サッカーへの意気込みを見せた。

記事提供:埼玉サッカー通信・石黒登