果敢な守備で流れ呼び込んだGK髙橋 原点はとあるスポーツとドイツ代表守護神の存在
今季はともに南部支部1部に所属、互いの手の内をわかり合っている中で行われたこの日の試合。先制点は埼玉栄だった。前半26分、左サイドのMF海津遼馬が1トップのFW藤原統真とのパス交換でエリア内に切り込み、角度のないところから左足を振り抜いて試合を動かした。
幸先良く先制した埼玉栄だが、徐々に圧を増す相手の攻撃を抑えきることができない。川口市立は直後にMF端慶覧康平のアイデア溢れる浮きスルーパスでチャンスを作ると30分、右サイドでFW白野葉介がキープし、落としをMF佐藤真飛がボレーで叩き込んで同点に追いついた。
後半はシュート数6対0という数字が表すように埼玉栄が流れを握ったが、得点に繋げることができず。稲垣忠司監督も「正直今シーズンのうちの負けゲームの特徴だった」と振り返る。
それでも埼玉栄は迎えた延長戦で途中出場選手が勝負を決定づけた。延長前半8分、左サイドバックの中谷隼のクロスを後半最後にピッチに送り出された“頭利き”のMF鈴木湧大がヘディングで突き刺して欲しかった追加点。「自分が出たらヘディングで決めるイメージは持っていた。仕事をしないとと思っていたので、超嬉しかったです!」。さらに延長後半9分にはこちらも途中出場のFW岡田滉士がこぼれ球を決めてダメを押し、3ー1で川口市立を振り切った。
先制するも、最後までもつれた試合に「これが選手権の難しさ」と海津。指揮官も「取りきれないのは次への課題」としたが、「大会の入りとしては随分気持ちも乗ってやれている姿は見えた。延長になって「そんなに簡単じゃない」というのを感じられたのは良かった」とした。
12日に関東を直撃した台風19号の影響で近くの荒川が氾濫し、一時はサッカー場を含むグラウンドが水没。水が引いたいまもまだ使えない状態と難しい状況もあるが、この1週間でしっかりと課題を修正し、今季3度目の8強入りをかけて26日の3回戦・武蔵越生高校戦に臨む。