この試合の影のMVPだ。GK髙橋彬人は武器の1対1の守備で前半と延長前半に2つの決定機を阻止。後者では髙橋のセーブの直後に決勝点が生まれるなど、チームに勢いを呼び込んだ。
「1対1は得意分野だったのでしっかり集中してプレーできて良かったです」。それでも「まだまだ甘いです」。「1点決められたのは悔しい。失点はディフェンスの寄せをもっと早くしてシュートを打たせないように、あとは自分のバックも遅れたので防げたかなと思います」。
1対1の守備は小学校時代、サッカーと並行して行なっていたハンドボールのプレーが生かされているという。「中学校ではハンドとサッカーどっちをやろうか」。そんな少年に衝撃を与えたのは2014年ブラジルW杯で見たGKマヌエル・ノイアーのプレー。キーパーながら11人目のフィールドプレーヤーと称される積極果敢な守備でドイツを優勝に導く姿を見て本格的にキーパーを目指そうと決めた。ハンドボールの経験とノイアーの存在が髙橋にとっての原点だ。
またこの日は怪我で離脱中のDF井上孝太朗に代わりキャプテンマークを巻いてプレー。「孝太朗が帰ってくるまでは負けられないです」。預かったバトンを返すべく、次戦の零封を誓った。記事提供:埼玉サッカー通信・石黒登