国際学院の守護神・持田瞬也は武器の反応で後半相手のセットプレーを防ぎ、「全部自分の間合いでできた」というPKでは3本目と5本目をともに右で仕留めて、チームを勝利に導いた。
この舞台は「約束の場所」でもあった。花咲徳栄GK高野悠とは蓮田市立黒浜西小の同級生。組み合わせが決まると「ベスト16で当たるから負けんな」と最後の選手権での再会を誓った。
そして2人はしっかりと勝ち上がって多くの観客が見守るこの舞台で合間見えることになる。試合はともに前半に1点は許しながらも勝負を決める次の1点は取らせず。持田は後半32分、セットプレーからの相手CBのヘディングをジャンプ一番でセーブ。高野も11本のシュートを浴びながらも最少失点で抑えた。延長戦でも決着はつかず勝負の行方はPK戦にもつれ込んだ。
反応には自信のある持田だが、実はPKはあまり得意ではない。高校2年次のインハイ予選2回戦・深谷第一戦は勝利したもののふた回り目までもつれ込ませた。昨年は関東予選もここ昌平グラウンドでPK戦の末に敗退。酒井監督も「もちろん止めてくれるイメージはあったが、蓋を開けてみるまでわからなかった」と話す。それでも「あいつがいたから」闘志に火がついた。
「もうずっとボールを見て、自分の間合いを作っていて、自分が得意とするゾーン、間合いまで持っていって、ぶっちゃけ全部自分の間合いだったんです。先走って1本だけ外しちゃったんですけど、そのほかは全部自分の間合いだったので、そこは今日良かったかなと思います」。
互いに2本ずつを成功させた3本目。最高潮まで神経を研ぎ澄ますと右に飛んでセーブして大きくガッツポーズ。それでも「あいつがいたから」と思っていたのは持田だけではなかったのだろう。直後、高野も負けじと飛びついてセーブ。「やるな!」という笑顔で抱擁を交わす。