「約束の場所」で激戦を繰り広げた2人。「あいつがいたから」 国際学院GK持田瞬也

 先にスコアを動かしたのは花咲徳栄だった。前半29分、ディフェンスがエリア内でクリアにもたついているところをFW塩田俊介が果敢にプレスをかけて奪うと、10番のMF七海永遠の左クロスに2年生FW三橋由詩が走りこみながらドンピシャのヘディングで合わせて先制した。

しかし国際学院もすぐさま反撃。失点からわずか3分後の前半32分、左サイドのMF佐野佑真が技術を見せ3人4人と抜いてクロス。これをMF小河原龍太が頭で決めて同点に追いついた。

その後は国際学院が持ち前の攻撃力を見せて攻め込む場面を増やすが、花咲徳栄も1回戦で流れを呼び込んだ保竹利紀、和田遼の両CBを中心とした堅陣でゴール前に蓋をする。花咲徳栄は終盤にセットプレーから好機。七海のフリーキックからファーサイドで和田の放ったヘディングはゴール上部を捉えたが、国際学院GK持田瞬也が好反応を見せて勝ち越しとはならない。

試合は1ー1のまま延長戦へ。国際学院は途中出場のMF中谷力、FW阿部智広が仕掛けるが、花咲徳栄も主将の保竹が気迫のこもったスライディングで決勝点は許さない。両軍ともに終盤まで高い集中力を持って戦った激闘は100分で決着がつかず、勝負はPK戦へと委ねられた。

PK戦も白熱の展開となった。ともに2人が成功した3本目、国際学院GK持田が先に止めれば、続いて花咲徳栄GK高野悠も止め返す。勝負が決したのは5本目。持田がこの日2本目のセーブを見せると、後攻・国際学院はエース佐野がきっちりとネットに蹴り込んで激戦を制した。

酒井宏治監督は「必ずこうやってトーナメントを勝ち上がってきたチームというのはどこも粘り強い」としつつ、「やっぱりうちは1ー1じゃなく点の取り合いにならないと国際らしくないと思うので、そこは徹底してやっていく」。兄と同じ全国を目指す佐野は「自分のところがまだまだできていない。本当に自分がこのチームのエースとして自覚を持って、もっともっと得点であったり、相手が怖いと思うプレーができるようにならなければいけない」とした。準々決勝・埼玉栄戦は国際学院らしい「攻撃サッカー」でインハイ予選に続く4強入りを狙う。

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