4人目のスポットに立ったのは持田だ。「普通はあまりキーパーは蹴らせないんですけど、蹴れるやつと言ったら顔を上げたのが彼だった」(酒井監督)。これを落ち着いて決めると、迎えた相手の5人目。「いつもだったら多分入っていたと思います」という1本は「最初右手を出したんですけど、届かないなと思って、逆手を出したんですよ。それは自分の判断が良かったのかなと思います」。ゾーン特有の超感覚で出した左手に当たったボールはポストに当たって枠外に逸れ、この試合2度目の雄叫びの後に誇らしげに背番号1を背中でアピールした。

試合後、激戦を繰り広げた盟友からは「頑張って。スタジアム行くからって言われて。もう負けられねえな、ここからだなって。ホッとしちゃった部分もあるんですけど、8に入っただけなのでこれからだなって」。気持ちを新たに持田は友の想いも背負って全国の舞台を目指す。

記事提供:埼玉サッカー通信・石黒登