怪我からカムバックした背番号7が中学年代を過ごしたアルディージャの本拠地で輝いた。
MF紫藤峻は前半自らが起点となった攻撃で混戦を仕留めて大会初得点。さらに後半立ち上がりにはゴール前でこぼれ球に走り込むと「あれはもうイメージ通りでした」と右足でコースに流し込んで勝負を決めた。「前回の試合自分は外していたので今日は決めてやろうという気持ちが強かったですし、今日2点取れてチームに貢献できたので次も頑張りたいです」と喜んだ。
今年は5月に左足首を脱臼骨折を含む複数箇所骨折。さらに靭帯も損傷し、復帰までに4ヶ月を要した。「インターハイで正智深谷に負けて、その時自分は見ているだけしかできなくてチームに迷惑をかけてしまった。その分選手権で取り戻そうっていう気持ちがありました」。
迎えた今大会、最初の3戦はいずれも途中出場だった中、3回戦の武南戦では紫藤の投入後に明らかにリズムが変わり1ー0の勝利に貢献。敵将も「紫藤が入ってきてやっぱりスピードが変わった。わかってはいるけど 体力が辛いところであれだけ勇気を持って安定してドリブルで進入できたらやっぱり強い」と認めた。準々決勝の正智深谷戦からはスタメンに戻ってきた。
「怪我をするまでは自分が点を取れるイメージがあったんですけど、復帰してから今日までまだ1点しか取れてなかったんです。いつか自分が取ってやろうという気持ちはありました」。
この日の円陣では指揮官から「何点取る?」と聞かれて「2点取ります」と宣言。ハットトリックではなく2点というところにリアリストな1面を見せたが、「今週は練習から点が取れていてイメージは良かった。それが今日の試合に出たと思います」。有言実行の2発だった。
昨年はメンバー入りならず応援席で先輩たちの悔しそうな表情を見ることしかできなかった。「今年は自分がやってやろうという気持ちはありますし、去年のリベンジとして絶対に勝ちたいです」と紫藤。チームが待ち望んだ攻撃のラストピースが昌平を2年ぶりの頂点に導く。
記事提供:埼玉サッカー通信・石黒登