決勝の舞台に進みながらも、一度はこぼれ落ちそうになった東福岡の日本一という夢。土壇場で手繰り寄せたのは、ここまで5試合で22得点を叩き出してきた爆発的な攻撃力だった。

 ここまで全ての試合で先制点を奪い逃げ切りに成功してきた東福岡はこの日も序盤から「元気が良い」(MF中島賢星)増山朝陽、赤木翼の両ウイングが縦への突破で押し込んだが、大津DFの無闇に飛び込まず冷静にコースを消して対処する守備に苦戦する。それでも、18分には大津DFのパスミスをMF近藤大貴が奪い、左サイドに展開。DF末永巧がミドルシュートを狙ったが、バーに阻まれ、ゴールが奪えない。

 守勢に回った大津だったが、「これまでの東福岡の強烈なサッカーを見ていて、ウチのサッカーをやってどこまで通用するかを見てみたかった」(平岡和徳監督)と、機を見ては平岡拓己と田原悟のダブルボランチのボール奪取から素早く攻撃に転じ、FW一美和成のポストプレーを起点にサイド攻撃を展開。24分には左サイドでのスローインを一美和成が身体を張ってキープ。田原悟、葛谷将平と高い位置で繋ぎ、ゴール前へラストパス。PA右で待ち受けたMF古庄壱成が左隅に決めて、大津が先制し、前半を終えた。

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