後半に入っても、尚志守備陣の集中は途切れず、中を閉じて外にはめるというやり方を徹底し相手にチャンスを作らせない。試合はこのままスコアは動かず終盤へと突入。
 すると、同25分過ぎに同点を狙って麻布大附が189cmの大型DF藤田和樹を最前線に上げてパワープレーを敢行。仲村監督は「正直、自分たちのスタイルを捨ててパワープレーに出てくるとは思っていなかった」となりふり構わない攻撃を相手が仕掛けてきたが、尚志守備陣は慌てなかった。183cmのDF佐藤誉晃がしっかりと相手攻撃陣を跳ね返して、そのこぼれ球を主将のDF山城廉がクリアをするという明確な役割分担で対応し残り10分を凌ぐ。このまま最後まで集中力を切らさなかった尚志は見事な逆転勝ちを収めた。

 本来攻撃に特徴を持った尚志であったが今日の試合は守備で魅せた。その中でも特に山城が奮闘。「中を閉じて外ではめていく形を大会前から自分たちで話していた」(山城)というようにチーム全体で共通理解を持つべく大会前から主将としてメンバーを統率した。さらに、球際の部分では強さを発揮し堅守を支えチームの勝利に貢献。
 最後まで山城を中心に共通理解を基に堅守を発揮した尚志が幸先のいいスタートを切った。

【取材・文・写真=松尾祐希】