栄のヘディンガーがラストプレーで決勝弾。大日向「今年はもっと点を決めて活躍する」
まず先制したのは狭山ヶ丘。前半4分にPKを獲得すると、これを10番FW嶋田昭也が決めた。
いきなり追う展開となった埼玉栄だが、直後にセットプレーで強さを見せる。前半10分にセットプレーの二次攻撃からDF原田一輝がヘディングで決めて同点に追いつくと、その3分後にはコーナーキックからの混戦に再び原田。「セットプレーで上がったからにはやっぱり点を決めないといけないという自覚がある」と語る背番号4の2ゴールですぐさま形勢を逆転させた。
一方、狭山ヶ丘もしっかりと繋ぎながら嶋田やMF吉野斐斗が中心となって攻撃を組み立て。後半は立ち上がりから連続してシュートを放っていく。すると9分、ゴール前でこぼれ球を拾った吉野がひとつ持ち出して右足を一閃。ネットに突き刺して試合を振り出しに戻した。後半は同点に追いつき、勢いに乗る狭山ヶ丘が優勢にゲームを展開。埼玉栄は耐える時間が続いた。
それでもここを凌いだ埼玉栄に最後にドラマが待っていた。提示されたアディショナルタイムを迎えた後半43分、中盤でボールを奪い速攻に繋げると右サイドを駆け上がった原田がファーサイドを狙って的確なクロス。これを途中出場のMF大日向拓人がヘディングで沈めて再度勝ち越し。そして直後にタイムアップの笛。終盤に勝負強さを見せた埼玉栄が熱戦をものにした。
今年は昨年から出ていたMF桑田祐輔やFW岡田滉士が中心となる中で「1年生の頃から4ー3とか5ー4とか、ゴールに向かう姿勢は持っていた」(佐瀬裕大コーチ)という攻撃力が武器。西武台に敗れた準々決勝も2ー4と撃ち合った上でのもので得点を取る力はある。関東予選に向けては守備の改善を図りながら、チームのストロングである攻撃にもさらに磨きをかけていきたいところ。そして必ず昨年の先輩たちが果たせなかったベスト8の先の景色を目指す。
▽令和元年度埼玉新人戦(新人選手権大会)
令和元年度埼玉新人戦(新人選手権大会)