いよいよ佳境へと突入した第94回全国高校サッカー選手権東京都大会。8日、Bブロック準決勝が行われ、3連覇が懸かる國學院久我山と10年ぶりの優勝を目指す成立学園が西が丘を舞台に激突。試合開始前からピッチに降り注いだ雨は時間の経過とともに強さを増す悪天候の中、ファイナルへの切符を巡る好ゲームが展開された。

 パスワークに定評のある両チームの対峙は序盤、成立学園がポゼッションで上回る。

 4-4-2の布陣で臨んだ成立学園は中盤の底にどっしりと構えるMF大野泰成、MF河口海斗のダブルボランチを起点に両サイドの幅を活かした展開を披露。FW竹本大輝のチャンスメークも目立ち王者相手に互角以上の戦いを見せる。前掛かりになるチームに与えられた、「バランスを意識しろ」という指示も前述のダブルボランチを中心に徹底し、主導権を握った。

 対する國學院久我山はお馴染みの4-3-3でシュートチャンスを作り出す。

 FW澁谷雅也、FW小林和樹、FW内桶峻の3トップは高いポジショニングを維持し、ボールの引き出し役を担った。14分、小林のヘッドは惜しくもゴール左へ。28分、DF山本研の放った直接FKのこぼれ球をMF鈴木遥太郎がダイレクトボレー。このシュートは成立学園GK吉澤凌が手中に収めた。

 一方、34分には成立学園に決定機到来。

 FW長島滉大の突破から折り返しをFW吉村伸がシュート。共に今大会2試合ぶりのゴールを狙う“攻撃の格”がチャンスを作り出すが、ネットを揺らすまでには至らず。両チーム得意のパスサッカーでがっぷり四つに組み合った前半はスコアレスで終了。

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