尚志FW阿部要門(3年/山形入団内定) (写真=松尾祐希)

 迎えた後半。早々に矢板中央がスコアを動かす。ボランチの大畑凛生(2年)が左サイドからGK前にアーリークロスを入れる。これが直接ゴールに吸い込まれ、開始2分で先制点を奪った。

 大畑の得点で勢いに乗ると、矢板中央は試合の主導権を掴む。後半10分には左サイドを崩すと、星影虎(2年)がゴール前にラストパス。これを多田が冷静に決め、早い段階で追加点を奪った。

 以降は互いに選手交代を積極的に行なった影響で一進一退となる。それでも、矢板中央は粘り強い守備で踏ん張りながら、切れ味鋭いカウンターで敵陣に迫る。70分に1点を返されたものの、71分には多田がゴール前で仕掛け、強烈な一撃からネットを揺らして勝負あり。矢板中央が活動再開後初の対外試合を3−1で制し、幸先の良いスタートを切った。

 「久々の試合だったけど、頑張ってくれた」とは髙橋健二監督の言葉。約4ヶ月ぶりの対外試合で奮闘した選手たちに指揮官も思わず頰を緩めた。この活動自粛の期間中、選手たちはそれぞれが自身の課題と向き合っていたという。2ゴールを決めた多田もそのひとりで、シュート精度と肉体改造に励んだ成果が出た。

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