(写真=矢島公彦)

一矢報いたい堀越はGK平野がPKストップで意地を見せるも…

 4点を追いかける苦しい展開となった堀越。試合を立て直すためにもFW15番尾崎岳人にボールを収めて好機を作り、早い時間に1点でも返したい。まず後半開始からMF28番東舘大祥に替えMF8番山口輝星を、MF20番宇田川侑潤に替えFW9番若松隼人を投入し、点を取りに行く姿勢を見せる。

 しかし後半の立ち上がりも攻め込んだのは青森山田。後半5分過ぎ、ペナルティエリア内で相手ハンドによるPKを得ると、キッカーDF藤原が蹴り込むが、これを堀越GK平野がファインセーブ。堀越が勝利への意地を見せた。

 後半になりようやく落ち着きはじめた堀越は攻撃でも徐々にリズムをつかむと、流れるようなパスワークや裏を取るパスで再三青森山田陣へと攻め込む。

 しかし選手たち自身が「優勝は使命」と話す青森山田は、決してペースを渡さない。さらに黒田剛監督も「ディフェンスラインを上げろ。まだまだ青森山田のサッカーではない。もっとできる」と試合中にコメントするなど、あくまでも見据えるのは頂点とばかりに厳しい姿勢を見せる。

 すると後半35分過ぎ、青森山田にチャンスが訪れる。DF内田のロングスローからDFタビナス ボール ビスマルクがヘッドでゴールを狙うも、ここは堀越のディフェンス陣が体を張ってゴールは割らせない。

 なんとか1点がほしい堀越は最後まであきらめない。試合終了の笛が鳴るまで必死の反撃を試みると後半アディショナルタイムにFKのチャンスを得る。キッカーMF日野がDF3番井上太聖へロングボールを蹴り込むと、井上がダイレクトで右足を合わせてシュート。しかしボールは惜しくもポストを直撃しゴールならず。

 試合はそのまま4-0で終了。勝利した青森山田は、頂点へ向け矢板中央との準決勝へと駒を進めた。

(写真=矢島公彦)

▽第99回全国高校サッカー選手権
第99回全国高校サッカー選手権