21年ぶりのベスト4となった龍谷大平安

東山キャプテン掛見(写真=雨堤俊祐)

 「強豪相手に受けに回ってしまった。後半のように、最初から戦えれば…」と悔しさをにじませたのは龍谷大平安の川島友介監督。自身もサッカー部のOBで、21年前のベスト4進出を選手として経験している。100人を超える部員たちと共にファイナル進出を目指した。「ハーフタイムには2点ビハインドなので『前からプレッシャーをかけていこう、足をつるまで走ろう!』と声をかけました」という修正が同点弾につながるなど接戦まで持ち込んだが、あと一歩届かなかった。

 今年のチーム発足時はリーダーシップを取れる選手がおらず、コロナ禍でインターハイ予選やリーグ戦がなくなったこともあり、チームとしての積み上げが例年よりも少ない状況で今大会を迎えざるを得なかった。だが「みんなでやろう、というところで不安もあったけれど、選手権を通じて雰囲気がよくなっていった。今日のハーフタイムも2点を奪われてどんな様子か心配でしたが、自分がロッカーに入ったとき、すでに選手たちで後半へ向けてどう戦っていくのかなどを話し合っていたので、これは大丈夫だと思いました」と成長を感じている。キャプテンの高橋は「今年の3年生は個性的だけど、自分も含めて自覚が足りない部分もありました。後半に奪った1点は、いろんな思いがつまったゴールです。あの瞬間のチームの盛り上がりを感じて、泣きそうになった。僕自身も今までで一番楽しいゲームだったし、そんな試合をこの素晴らしいサンガスタジアムでプレーできたのは一生の思い出です」と話している。

 龍谷大平安といえば甲子園での通産100勝を達成した野球部が有名だが、サッカー部も近年、力を付けてきた。高橋は「今大会を基準として、後輩にはベスト4を超えて欲しい」と思いを託し、川島監督も「21年前も2点を先制されて、1点を返して負けた。でも今度は何年ぶりなどとならず、近いうちにこの舞台へ戻ってこれるようにかんばりたい。この経験をチームにどう還元できるのか」と言葉に思いを込めた。

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