決勝点は延長後半終了間際!激戦の末、市船が2年連続23回目の全国へ

劇的Vの市立船橋(写真=小室功)

 全国への切符をかけた千葉県の決勝は8年連続同カードとなった。

 赤の流通経済大柏と、青の市立船橋。ともに全国制覇の実績を持つ伝統と歴史ある強豪校だ。意地と意地がぶつかり合うであろうことは改めていうまでもない。キックオフ前から緊迫した空気が会場を包み込んだ。

“1点勝負”と予想していた。

なぜなら両校とも堅い守備を誇っていたからだ。さらに付け加えるなら、決勝の舞台で求められるのは内容より、やはり結果だろう。

何がなんでも全国へ――。そんな強い思いから、守備面でのリスクを極力抑え、たとえチャンスの数が少なくなったとしても1点をもぎ取って勝つ。双方のゲームビジョンは一致していたと思われる。

 そうしたねらいが市船のスタメンに色濃く表れていた。準決勝までの陣容とはガラリと変わって、選手のポジションにも若干の変更が加えられていた。試合後、市船の波多秀吾監督がこう胸の内を語ってくれた。

「相手は攻撃力のあるチーム。スタッフとも話し合って対策を立てました。(本来は4バックと3バックを併用する戦い方だが)3バック+3ボランチにして守備の形をハッキリさせて、そこからの攻撃をひとつのねらいにしました。我慢していれば、どこかでチャンスがあると思っていました」

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