履正社14番寺本悠晟(写真=森田将義)

 前半5分には右サイド高い位置でこぼれ球を拾った平岡がゴール前にパスを入れ、後藤がシュートを放ったが、20番清水太一が好セーブ。以降も、13番大出文哉の身体を張った守備や11番杉村駿介のスピード溢れる突破に苦戦しながらも、押し気味で試合を進めると、14分には左サイドでボールを持った後藤がカットイン。相手のDFの視線を引き寄せてから、ヒールで後方に流すと左SBの14番寺本悠晟が「打った瞬間に入ったと思った」という豪快な左足シュートを叩き込み、履正社が先制した。

 「イメージ通りのゴール。スペースがないならスペースを作ろうと練習してきた通りの形」と平野直樹監督が称えるゴラッソが生まれた一方、「まだまだ子どもじみた所がある」(平野監督)のが響き、18分にはCKから21番光永大晟にヘディング弾を決められ、同点に追いつかれた。試合は振り出しとなったものの気落ちした様子は見られない。22分には27番李晃輝がPA手前で倒され、FKを獲得。後藤が直接狙ったキックがクロスバーに当たりながらも直接決まり、再びリードを手にした。

 後半は選手交代によって攻撃に勢いが出た山口に押し込まれる場面が増えた。前半から飛ばし気味で試合を進めた履正社は体力的に厳しかったが、気迫と走力を落とさず決定機を与えない。ゴール前に持ち込まれても、26番李泰河らが身体を張って対処し、逃げ切りに成功した。主将の赤井が「トーナメントは選手権にもある。タフな所をつけていかないと勝っていけない。それは青森山田と予選で対戦し感じた部分でもあったので、選手同士で”もっとやらないとアカンぞ”と話している。準々決勝も苦しい時間もあったけど、我慢強いはこの大会で伸びている」と胸を張ったように4日間での成長は著しい。成長を確かな自信に代えるためにも、決勝では青森山田へのリベンジを果たすつもりだ。

(文・写真=森田将義)

▽第8回和倉ユースサッカー大会2020
第8回和倉ユースサッカー大会2020