大津 vs ロアッソ熊本ユース(写真=井芹 貴志)
後半は立ち上がりから大津がペースを握り、3トップの連携や左右ウイングの上がりを生かしてピッチを広く使う大きな展開で熊本ユースを揺さぶる。そして65分、中央でのコンビネーションから右へ開き、最後は浮き球のクロスを熊本ジュニアユース出身のFW宮原愛輝が頭で押し込み、3−0とした。
3点を追う格好となった熊本ユースは、時間が進むにつれ自陣からのつなぎでミスが目立ち始め、攻撃に転じても前に人数をかけられず、シュートに結ぶ形を作れない。終盤にかけても大津に押し込まれる時間が続く中、GK松井亮輔が再三の好セーブを見せて追加点こそ許さなかったものの、得点を奪うには至らなかった。技術的な面で大きな差があったわけではないが、「途中からは、サッカーではなく人間的な面で差がつくと生徒たちには話していた」(大津・山城朋大監督)、「技術以外のところで決まる部分もある、人間的な強度をもっとあげないといけない」(熊本ユース・中山貴夫監督)と、奇しくも両監督がメンタル面について言及しているように、判断や自信の差がピッチに現れた印象。熊本ユースがペースを握りかけた序盤を受け、修正を施してセットプレーで先制し流れを引き寄せた大津に対し、熊本ユースは「ゴールを目指す個人のスキルと迫力、アイデアをこの舞台で判断してうまく発揮できず、主体的にボールを動かすのではなくリアクションになってしまった」と中山監督は振り返る。
ただ、新型コロナウイルスの影響で例年とは違ったチーム強化を余儀なくされる中、お互いにとって貴重な公式戦の機会となったことは確か。今後も刺激しあって高めあう関係として、熊本県の2種年代を引っ張っていく存在であることに変わりはない。
(文・写真=井芹 貴志)
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