愛媛県高校サッカー新人大会準決勝・新田vs松山北・PK戦で2本の好セーブを見せた新田GK23田中 藍人(2年)(写真=寺下友徳)
お互いにつなげる位置では相手のスペースを探りながらつなぎ、スペースを見つけると一気にペースを上げる興味深い戦い方を志向する中、先制点を上げたのは新田。27分、青野からの縦パスを受けた日浦はドリブルを仕掛けながら細かいフェイントを入れ、相手DFの態勢を崩すことに成功。その直後、PA右角から右足で豪快に逆サイドネットに突き刺す弾丸シュートはエースの風格すら漂うものだった。
しかし、松山北は0-1で35分を終えると後半開始時からチェンジ・オブ・ペースを図ってくる。左CBには3近藤裕希を投入。左足からのアーリークロスやセットプレー、ロングスローといったオプションを増やした。これによりボール支配率を上げた彼らは37分、10渡部の浮き球パスに3列目から入ってきた9松田が元FWらしいヘディングシュートで同点。さらに44分にはフィジカルで相手DFラインを押し下げた15渡邉に変え、テクニックに長けた内田祥文(2年)を入れ、左サイドから巧みなドリブルでカットインする6木村も使いながらバイタルエリアを支配しにかかった。
それでも新田は粘った。3バックとGK23田中らが松山北の攻撃を受け止めつつ、機を見て11日浦や6東尾、7中越のサイドを使ったカウンターを発動。結局その後は70分間、さらに10分ハーフの延長戦でも決着は付かず。同時開催の準決勝で帝京第五が3-0で宇和島東を下していた決勝戦の挑戦権獲得はPK戦に委ねられることに。PK戦では4人全員が決めた後攻・新田に対し、松山北は2本が新田GK23田中の好セーブに阻まれ決勝戦の切符は新田が獲得。同時にインターハイ県予選は県大会からの出場チームが帝京第五と新田に決まった。
なお、午後に行われた決勝戦・3位決定戦では帝京第五が2-0で新田に勝ちが大会初優勝。3位決定戦でも宇和島東が3対0で松山北を下すことに。準決勝・決勝戦の同日開催がないインターハイ予選は、今大会4連覇を逸した四国プリンス組の今治東や中予地区予選でまさかの敗退に終わった松山工に先日、元愛媛FCのボランチ渡邉 一仁氏がサッカー部の指導に関わることが発表された済美なども絡み、近年にない群雄割拠となりそうである。
(文・写真=寺下友徳)
▽令和2年度愛媛新人戦(新人選手権大会)
令和2年度愛媛新人戦(新人選手権大会)