松山北の選手たち

 7大会ぶり2度目の優勝を遂げた前橋育英をはじめ、私学の強豪が軒並み上位を占めた「第103回全国高校サッカー選手権」。その中にあって東海大山形龍谷富山をいずれも1-0で破り、公立校唯一の3回戦進出を果たしたのが県内屈指の進学校・愛媛県立松山北高等学校(以下、松山北)であった。

 

 今大会が8大会ぶり6回目の出場となった松山北だが、2回戦進出は首都圏開催以前の1962年度・第41回大会で小田原(神奈川)に1-1・延長抽選勝ちした初出場時以来、実に62大会ぶり。さらに選手権での複数勝利は学校史上初、愛媛県勢としても選手権2勝以上はFW藤本佳希(J2モンテディオ山形)を擁した第90回大会の済美以来、連続完封に至っては第71回大会の南宇和以来、33大会ぶりの快挙となった。

 では松山北はなぜ、晴れ舞台での大躍進を遂げることができたのか?グラウンドでのトレーニングと指導者たちの真意を紹介した#1に続き、#2では選手たちの声から選手権の振り返りと「これから」に触れていく。

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