前半の問題点を後半に修正した興國が三田学園に勝利し勝点3

興國 vs 三田学園

 前半の問題点を後半に修正した興國が勝点3を手にした。

 9月26日、プリンスリーグ関西の14節が行われ、興國三田学園と対戦。川崎F入団内定のFW永長鷹虎(3年)、山形入団内定のFW荒川永遠を軸に主導権を握るかと思われたが、「試合の入りが課題」(内野智章監督)という悪癖が顔を覗かせてしまう。4-2-3-1のシステムでスタートし、攻撃時は両SBが高い位置を取って3-4-2-1の布陣で攻撃を仕掛けたものの、スペースがない状況で思うようにパスを繋げられない。

 トップ下の山本蒼太(2年)も中盤の低い位置でボールを受けたものの、ボランチの2人との距離感が近すぎて良い形で前にパスを付けられなかった。すると、時間の経過とともにカウンターを浴びる場面が散見。中盤でボールを失うと、一気に最終ラインの背後にボールを入れられてピンチを招く場面も少なくなかった。15分には三田学園のCB増田寛太(3年)が自陣からロングボールを蹴ると、これをFW宮島幸大(2年)がうまく収めてゴール前にラストパスを入れる。これを受けたMF泉良太郎(3年)に決められ、早い時間帯にビハインドを背負う展開となった。

 以降も前線が孤立し、攻撃のギアが上がらない。守備陣も相手の鋭いカウンターに手を焼き、苦戦を強いられたまま前半を終えた。

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興國 vs 三田学園

 しかし、ここから興國が本来の良さを見せる。後半の頭から山本を下げ、右サイドに入っていた永長を中央に配置。選手のポジショニングも微調整を図り、中盤でスペースが生まれるような並びに変えた。すると、この采配が見事に的中。前半は1トップの位置に入っていた荒川と永長を縦関係の2トップにし、中盤や最終ラインの選手がボールを運ぶスペースを確保する。そこから縦パスで攻撃のスイッチを入れ、個人技に長ける永長やスピードに定評がある左SB向井颯(3年)が積極的に仕掛けた。

 52分には永長がドリブルで左サイドを突破。そのままゴール前に折り返し、最後はMF宮原勇太(1年)がネットを揺らした。これで勢いに乗ると、61分にはゴール前に抜け出した永長がGKとの1対1を制して逆転ゴールを決める。さらに72分には荒川と永長が高い位置からプレッシャーを掛け、相手GKのパスミスを誘発。ボールを奪った荒川が冷静に決め、リードをさらに広げた。

 終了間際には途中出場の岩丸流星(3年)が4点目を決めて勝負あり。終わってみれば4-1の快勝。興國が修正力の高さを見せ、暫定2位の履正社に勝ち点で並んだ。

▽高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ2021 関西
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