2点を奪ったV・ファーレン長崎U-18が筑陽学園の反撃を1点に抑え勝利!

V・ファーレン長崎U-18 vs 筑陽学園(写真=藤原裕久)

 プリンスリーグ九州で首位に立つ日章学園(宮崎)に対して、消化試合が2試合少ないながらも勝ち点差3で暫定3位につける6勝1分2敗のV・ファーレン長崎U-18(長崎)。同じく暫定ながらも3勝1分6敗で7位につける筑陽学園(福岡)。ともにリーグ終盤へ向けて調子を上げていきたい両チームが、10月2日に「高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ2021 九州」第14節で対戦。大山晃生と七牟禮蒼杜のゴールで2点を奪ったV・ファーレン長崎U-18が、筑陽学園の反撃を1点に抑えて2対1で勝利した。

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 2年生主体で戦う筑陽は試合の立ち上がりからハイプレスを徹底。高い位置から大野公瑛、杉森隼人の2トップが積極的なプレッシャーをかけていく。ボールを持ちながらも押し込まれる形となったV・ファーレンだが、最終ラインからボールを回し、サイドに展開する攻撃で筑陽のプレッシャーに対抗。15分過ぎには逆に相手を押し込むと、左右の揺さぶりから一気に縦に突破をしかける攻撃え、19分にサイドから大山が先制ゴールを奪取。

 この1点で落ち着いたV・ファーレンは「シンプルにプレーしろ」という原田武男監督の指示どおり、丁寧にボールを動かして筑陽を押し込んでいく。受け身に回ってしまった筑陽は、前半飲水タイムにキャプテンの田中幸志を投入してラインの高さを修正するが、41分にU-16日本代表候補の七牟禮が、山なりのシュートで筑陽のGK石橋一真の頭を越え追加点。前半はV・ファーレンが2対0とリードして終了する。

 2点差を追いかける筑陽は、後半からCB緒方孝起を前線にあげてターゲットとするパワープレーにシフトチェンジ。V・ファーレンも奪ってからの早い攻撃で対抗し、ともに攻め合う時間帯が続く中、筑陽は56分にゴール前での瀬戸千太郎の粘りから後藤教太がゴールを決めて1点差。

歓喜のV・ファーレン長崎U-18イレブン(写真=藤原裕久)

 この後も緒方の高さを活かした筑陽の攻撃に苦戦するV・ファーレンは、七牟禮が筑陽の背後を突く攻撃で反撃を見せるが、筑陽は田中と森下凛人が体を張った守りを見せてシュートまでいかせない。セカンドボールを拾われ苦戦するV・ファーレンだが、こちらも古田東也・中平優汰を中心とした守備陣が最後まで筑陽に追加点を与えず、試合は2対1のまま終了。V・ファーレンがリーグ7勝目をあげることに成功した。

 前半はV・ファーレンがボールを回して、相手を揺さぶりながら鋭いサイド攻撃でゲームをコントロールしていたが、後半は長身CB緒方をターゲットにして長いボールで押し込み、セカンドボールを拾っていく筑陽がペースを握った。暑さがある中で筑陽ベンチの積極的で早めの交代が、筑陽らしい粘りと泥臭さを引き出したとも言えるだろう。だが終わってみれば2失点目を許さないV・ファーレンの手堅い守備も光っていた。

 「Jリーグユースが中止になり、今年はもうプリンスリーグしか公式戦がない状況。唯一の目標となったプレミア参入戦を常に意識しなければならない(原田武男監督)」というV・ファーレンだが、今後の戦いを考えると、押し込まれたときの対応というレベルアップのための課題をこの試合で把握できたとも言える。一方の筑陽は後半の攻撃の形に手応えを掴んだことだろう。そういう意味で両チームにとって次へつながる一戦となったのではないだろうか。

(文・写真=藤原裕久)

▽高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ2021 九州
高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ2021 九州