2列目からのスピード感ある攻撃で国士館を翻弄した都立駒場が快勝

国士舘 vs 都立駒場

 4月18日、令和3年度関東高校サッカー大会東京予選2回戦が行われた。

 1回戦を順当に勝ち上がった国士舘と、実力校である東京実業を振り切った都立駒場という好カード。両チームとも最終ラインを高めに設定する攻撃型のチームだけに打撃戦が期待された。

 国士館はGK1西城壮真(2年)、DF2名越大騎(2年)、DF3一瀬雅斗(3年)、DF4加藤光稀(3年)、DF5村田直哉(3年)、MF6高橋遼平(2年)、MF7鈴木雄大(3年)、MF8白鳥健太(3年)、MF9井上心太郎(3年)、FW10奥崎玲音(3年)、FW11芦田嶺士(3年)という11人。都立駒場はGK1権東春薫(3年)、DF2北岡大知(2年)、DF3肥田野寛太(3年)、DF4原康成(3年)、DF6高橋翔大郎(2年)、MF11後藤英太(3年)、MF8牧元英多(3年)、MF5松本航輝(2年)、MF7小林建広(3年)、FW9菅野峻平(3年)、FW藤木速人(3年)というスターティングメンバーで試合に臨んだ。

 序盤からラインを高めに保って狭いエリアでのボールの奪い合いとなった両チーム。国士館はショートパス中心で繋ぐサッカーを展開。都立駒場は長いボールを蹴り、DFの裏を取る攻撃を仕掛ける。最初にチャンスを掴んだのは国士館。3分にコーナーキックからヘディングで合わせるも、シュートはゴールの上へと外れる。

 今度は都立駒場が反撃に出る。11分、小林が右サイドで起点となり、センタリングを上げる。そのボールを逆サイドからヘディングで折り返すと、中央で待っていた選手へと繋がり、都立駒場が先制ゴールを挙げる。その1分後には、ロングパスから抜け出した後藤がシュートを放つが、わずかに外れてしまう。

国士舘 vs 都立駒場

 波に乗る都立駒場は、徐々にセンターフォワードの菅野にボールが集まるようになり、菅野がしっかり収めて2列目から飛び出してくる小林、後藤、藤木へと展開し、国士館DF陣を翻弄する。16分、左サイドを抜け出た後藤がセンタリングを上げ、逆サイドの小林が折り返し、中央で待つ藤木がゴールを決めて追加点を奪う。1点目、2点目とも同じような展開でのゴールだった。23分には、ペナルティエリア内で菅野が相手DFと競り合い、こぼれ球をキープし、体をうまく回転させてシュートを決める。

 その直後、国士館は流れを変えようと2枚のカードを一気に切る。だが、ペナルティエリアまではボールを運ぶものの、決定機を作ることができず、前半は都立駒場が3-0とリードして終了する。

 後半開始から国士館はさらに2人を選手交代し、総力戦を仕掛ける。3分、5分、7分と相手陣内に攻め込みチャンスを作り出す。しかし、都立駒場の粘り強い守備を崩すことができない。国士館の勢いに防戦一方だった都立駒場は、19分、一瞬の隙をつくかのような1本のスルーパスに藤木が抜け出し、落ち着いてゴールへと流し込み4点目を決める。

 諦めない国士館は、27分、途中出場の堀江翔からのセンタリングを最終ラインから走り込んできた名越がヘディング。強い弾道は大きい音を立ててバーを直撃するという惜しいシュートだった。39分にはゴール正面30m付近からのフリーキックを直接狙うが、ゴールマウスの上を超えてしまう。その後も得点を奪うことができず、試合終了。都立駒場が4-0で勝利し、準々決勝へと勝ち進んだ。

(文=滝沢ヤス英、写真=矢島公彦)

▽令和3年度関東高校サッカー大会東京予選
令和3年度関東高校サッカー大会東京予選