後半にペースを上げた実践学園が逆転でV。1年時に掲げた全国4強に向けまずは第一歩
実践学園がV(写真=石黒登)
令和3年度関東高校サッカー大会東京都予選の決勝が5月5日に行われ、実践学園が國學院久我山を逆転で下し、優勝を飾った。
立ち上がりにペースを握ったのは國學院久我山。FW小松譲治を起点にショートパスやサイドチェンジを交えながら押し込んだ。すると前半10分にゴールエリア左手前でフリーキックを獲得。小松の右足で巻いたキックが混戦のゴール前に入ると、これが相手のオウンゴールを誘って國學院久我山が先制に成功した。
一方、今大会5試合目、410分目にして初の失点をした実践学園だが、崩された形での失点ではなかったこともあり必要以上に引きずらず。相手のアタックに対し落ち着いて対応する。國學院久我山は前半36分に小松のヒールパスに抜け出したFW安田修都がゴールエリアにドリブルで侵入しチャンスを迎えたが、ここは実践学園DF土方飛人がうまくスライディングで掻き出して追加点は許さなかった。
さらに今季はT1リーグ開幕戦となったFC東京U-18(B)戦でも2点差を逆転して勝利を飾るなど、「うちは後半に絶対ペースが上がってくるのはわかっていた」と深町公一監督。すると実践学園は後半開始1分もたたずにスコアを動かす。MF入江友規がカットインからマイナスのクロスを入れると、これを準決勝の成立学園戦でも決勝ゴールを挙げたMF村田拓巳が右足で沈めて同点に追いつく。
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実践学園がV(写真=石黒登)
さらに後半5分には相手の攻撃を凌ぎ反撃。ロングカウンターからこの攻撃の起点となるスライディングブロックを決めた右サイドバックの長友星澄がオーバーラップし敵陣のスペースでボールを受ける。長友は左サイドにひとつ持ち出して左サイドバックの雨宮竜也に預けると、そのリターンを左足で決めて逆転弾とした。
終盤は一進一退となる中で実践学園はGK齊藤陸が至近距離のシュートをセーブするなど、ゴールをシャットアップ。このままタイムアップを迎え、2-1と逆転勝利を収めた実践学園が今年最初の東京タイトルを掴み取った。
「この子たちは1年の時から全国で4つに入りたいなんて生意気なことを言っていましたけど、だったら「まず東京を取れよ」と」と深町監督から発破をかけられていた中でしっかりと有言実行。主将の土方は「多少(全国4強への道筋が)見えましたけど、まだまだ全国の壁は高いと思う。この程度で満足しているようじゃ全国ベスト4というのは遠い道なので、もっともっと精進して頑張りたいと思います」と結果が出たことに喜びを示しつつも、大きな目標達成に向けて気を引き締めた。目標とする全国4強入りに向けてまずは大事な第一歩。実践学園はこの経験を生かしてさらに成長し、その目標を達成する。
(文・写真=石黒登)
▽令和3年度関東高校サッカー大会東京予選
令和3年度関東高校サッカー大会東京予選